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[漫画]痛みを超えて、もう1度立ち上がれ。 『鉄楽レトラ』1巻

鉄楽レトラ 1 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)鉄楽レトラ 1 (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
(2011/10/12)
佐原 ミズ

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   人の人生を変えてしまうほどの人間て、どんな奴だ?

ゲッサンにて連載中の佐原ミズ先生最新作、「鉄楽レトラ」の1巻が発売。
「マイガール」「ほしのこえ」などが有名な作家さんですが、小学館の少年誌であるゲッサンに来るとは正直予想外でした。が、この作品でもらしさは存分に発揮されています。
痛みを伴い、それでも前進していく青春の物語。キーワードは、『靴』?
ふがいない自分を向き合い、どう変わっていくか。



この作品、どういう作品かを一口に説明するのがちょっと難しいです。
後悔と自己嫌悪をかかえながら鬱々と高校生活をスタートされた主人公・鉄宇(きみたか)。
少しずつ自分を変えようとなんとかかんとかアクションを起こしていくお話なのですが
そう1口に説明にしきれない、力強さを感じられる作品になっていると思います。
ダウナーなムードが色濃く、辛辣な言葉がザクザク主人公も読者も斬りつけてくる感覚。ヒリヒリする感情が渦巻いている。でもきちんと最後には気持ちよいカタルシスがあります。
各エピソードの完成度も素晴らしく、キャラクターもそれぞれとてもいい味を出しています。

基本的に1話完結的に進行する話になっています。
第1話は藤本宝、第2話がお母さん、第3話はなまりちゃんと、主人公になにかを与えてくれるゲストキャラクター的位置づけの人物が活躍をしたり、大切な言葉をくれたり。
日常を探り探りしながら、彼らからエネルギーをもらって鉄宇くんが決心、そして行動。
その流れが毎回のように素晴らしく、涙が出てきてしまうのです・・・。
ネガティブだったり悲劇的な涙ではなく、再生へと向かう前向きな姿に。



●特に好きなシーンを挙げていくと、第2話のクライマックスがあります。
いつだってお母さんは、とても綺麗な目玉焼きを焼いて弁当にいれてくれる。
「友達に自慢してくれてもいいよ」と、息子にまた友達が作れるにほんのり促してはみるけど、鉄宇はいつも1人で、母の期待には応えることができない。友達作りをきっかけを母なりにくれたのに、それを活かすことができないふがいなさ、惨めさ。ああ辛い。
そんな第2話の終盤に登場するシーン。

20111012232016.jpg

「お前が自分に自身を持てない分、私が持っててやるから、怖がらずに生きな。」

おいちょっとカーチャン・・・!泣いちまうよ!
このエピソードで主人公の世界が広がりました。最初の大きな一歩を踏んだのです。
バスケからのお弁当の流れには胸を熱くさせられました・・・!

●「所詮 僕だ」と同じモノローグが繰り返される場面があります。
第2話の前半である85ページと、最後のページ116ページ。「所詮 僕だ」なんてネガティブなことは間違い言葉なんですけど、この2つのシーンで響きが若干異なっていたのもよかったです。
どちらにしても諦めの意味合いがありますが、85ページはまさにその意味が100パーセント。どんなにあがいたってもがいたって、自分なんて変われっこないんだという思い。
しかし対照的に、116ページの時には、彼は自分をちょっとだけ変えられたあとにこれを思っている。自分をダメなものと認識してるのは間違いないにしても、このラストでは「所詮 僕だ」「でもまぁいいか・・・」と、苦笑いすることができているんですよね。
自分を貶める言葉で沈んでしまわない。「所詮 僕だ」が諦めの言葉ではなく、「カッコ悪くてもまぁいいか」というような、気負わないリラックスした感情をを伴ったものに変化している。



●さて、次の第3話がいい話すぎて大変ですよっと。
はじめて読んだ時は号泣でした・・・冗談じゃなく。咽び泣く勢いで。
妹の銘椀(なまり)ちゃんがカッコよすぎて、健気すぎて、可愛すぎて。
この作品は主人公の成長を描いていますが、彼はまちがいなくダメな人間です。
この話のキモは、彼の自分自身の薄っぺらさ・浅はかさを、改めて認識したというところ。

20111012232027.jpg

「まぁ、ざまあみろくらいに思ってて・・・」

出来のいい妹。うまくいかない僕。見難い感情が湧き出ては、何かを壊していく。
この第3話は彼の、兄としての自意識の空回りっぷりが壮絶にイタい。
なまりちゃんの本当の気持ちが明かされて以降は、主人公のダメっぷりとなまりのひたむきな想いが対照的なものとして描かれ、さらにやりきれなさMAX。もう胸がはりさけそうに・・・。
この時点で涙が滲んでくるというのに、仲違いをしたままのこの兄妹が言葉数すくなに交わすやりとりに涙腺決壊。99点オバケ、書くよ、たくさん書くよ、お兄ちゃん書くよ・・・。

20111012232024.jpg

ああ、なんて強い女の子だろう。
顔に残る大きな傷あと。それでもこんなに、兄を見て微笑んでみせる。
破壊力満点のエピソード。こんなの泣いてしまうに決まってるんですよ!



3話までが収録された第1巻。青春モノとして本当に素晴らしい出来栄えだと感じます。
佐原ミズ先生の漫画がもともと好きな方はもちろんのこと、新たに先生を知る人にもバッチリおすすめしたい作品です。みずみずしい感動。
各エピソードを彩るキャラクターもそれぞれに魅力的ですが、主人公が好きです。
なんでしょう、うじうじしながらも頑張れるギリギリのところをほんのちょっと超えるまで頑張ってしまう、でもそれが怖くて仕方ない感じ。なんてかわいい。なんてカッコいい。
主人公は舞踊を始めるので、最初はダンス漫画になるのかなとも思ったのですが、この1巻は主人公の再生をじっくりと描いた内容でした。2巻以降どのような話になっていくのかも、非常に気になりますね。そして宝さんとの再会は・・・?
ナイーヴな心を斬りつけるような痛みもありますが、そこから立ちがあっていく姿の輝きがすばらしい、期待の新シリーズです。青春漫画大好きなんだ。

『鉄楽レトラ』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
タイトルからどんな作品かはわかりづらいかもですが、とにかく心に刺さる青春作品。

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