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正直どうでもいい

こんな名前ですが好きな漫画の感想をかくブログです

[漫画]微熱のまま触れあって歌いあって『17歳℃』

17歳℃ (ビーツコミックス) (マッグガーデンコミックス Beat’sシリーズ)17歳℃ (ビーツコミックス) (マッグガーデンコミックス Beat’sシリーズ)
(2013/05/14)
麦盛なぎ

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   俺も、壊れるかもしれない。

「17歳℃」のコミックスが発売されていました。
WEB雑誌で読んだ時から「これはいい!!」と鼻息あらく見守っていた作品。単行本としてまとまってくれてとても嬉しい…!
熱に浮かされたような少年少女の刹那的な生き様が眩しくもどかしくかわいらしい、胸がキュンとくる青春漫画なのです。
高熱というわけではないです。微熱。頭がボーッとして正常な思考をゆっくり手放してしまう。イカれてるでもない。でも我慢ができないから。
きっとそれが17歳の温度なんだろう。ナイス思春期漫画。そして川本真琴漫画。

一話の試し読みがこちらで読めます



舞台は1990年代初頭。
純情な17歳の主人公・樋野は高校の軽音部。ムカつく先輩になじられながら日々練習に励む。しかしそんな日常を壊す転入生の少女、黒川なつき。
楽器を壊されてしまったことをきっかけに黒川に想い募らせる樋野ですが
黒川には決められた将来の相手が既にいて……。
行き場を失っていく少年少女の衝動は、読む者をズキズキとそしてニヤニヤとさせてくれる!

「17歳℃」というタイトルは本当にピタッと内容にハマっている。
第一話を読んだ時にすぐに引きこまれてしまいましたよ。
だってねぇ、あのラストシーンを読んでたら「あれ…この構図…くるんじゃね…くるんじゃ…あっあっ…あーーーおおおおおおお」っていう。

17歳1

何を考えているのかわからない。何を仕出かすかわからない。
ミステリアスでセクシー。感情がよめない表情で、歌う時は爽快に、そして突然にキスをする。
そりゃこんな娘が目の前に現れたら、男の子は大変ですよ。
「純情17歳な青少年を夜な夜な悩ませるのは、いつの時代もあの娘の事だけ」
オビに書かれてたフレーズですが、まさにそういうものです。

主人公が等身大でピュアな男の子。けれど暴走を止められないからかわいい。
普段は自分の本音をうまく伝えられない、地味でおとなしめな少年なのですが
思春期をこじらせた言動と、それへの羞恥があってたまらない!

173.jpg

「何やってんだろ俺…」
「殴ってください」

うっかり変態的なことをやってしまった樋野くんの懺悔シーンがこれである。笑えるシーンではないだろうけどこれは笑ってしまったwwお前はなにをやっているんだ言っているんだ!

それに彼は、好きな女の子を歌ったラブソングを作ってしまうという、音楽少年におけるとびきりなことまでしちゃうのだ。
このラブソングはクライマックスシーンでその真価を発揮する、この作品のカギとなるもの。ですがこう…ああ…恥ずかしすぎるな…こういうの大好きさ…!
自分のどうしようもない想いを「昇華」したいから。どうしても叫びたいから。
そんな切実な願いでギターを手にするヤツだって結構いたりするんだろう。
多分樋野はそういう少年。

ヒロインの黒川、主人公の樋野がメインですが
個人的には軽音部のいけ好かない先輩・阿部の扱いも印象的です。
黒川に選ばれなかった側の人ですが、これがまた結構救いなくて。
たしかにムカつくキャラクターのポジションではありますが、最終話での彼の最後の登場シーンが印象的ですねえ。描かれた範囲では残酷な決着になってしまった阿部先輩。最後まで彼は浮上できなかった。
クライマックスでは更にもう1人かわいそうな目にあう男がいました。

そうやって誰かを不幸にしてでも我を通す。
うまくなだめて交渉して、なんて器用なことができない。
17歳の向こう見ずなリビドーは、こんな刹那的な風景を駆けていく。
微熱っぽいはずなのにどこか冷ややかなんだ。誰かを突き放す時、自分を貫く時の容赦の無さ!それがまた格好良い!彼がそうまで出来るほどの昂ぶりなんだ。



そんな「17歳℃」です。一巻完結。
もうちょっと続きが見たかったなーとも思いますが、けれどよくまとまっています。ラストシーン格好いいわぁ。いい表情でラブソングを歌いやがる。
思春期の衝動あふれる空気がたまらなかったです。

90年台初頭が舞台ということでややノスタルジックな感触。
各話タイトルが「あいの、さいのう」とか「十分前」とか、全部歌手の川本真琴さんの曲をちょっと変えて使用されていますね。子供のころ聴いたアーティストなので、合わせて懐かしい…。
あとがきを読むに、ヒロインの黒川は「川本真琴さんみたいな娘」として描かれたらしいですし、もしかしたら川本真琴さんの若かりし頃はこんな風だったかな?という作者の妄想みたいなものが作品の源なのかも知れない。
調べてみたら川本さんは74年生まれ。つまり彼女が17歳だった時が、この作品の舞台である90年代初頭に重なるんですね。
遊び心ある可能性のひとつとして、そういう見方も出来るかもしれない!
というわけで至る所から川本真琴への愛を感じさせる作品。作中でも恥ずかしいラブソングが作られたけれど、むしろこの作品が川本真琴へのラブソング感あるw

17歳2

絵柄は軽く爽やかめなんですが、エロいシーンのじめっとした質感もお見事。
直接的なものではありませんがややフェチっぽいエロス。
こういうの大好きですよ…うむ。
じわじわ、ムラムラと来ます。男の子も女の子もエロくて愚かでかわいい。
「あなたは 一緒に溺れてくれる人が欲しかったんだ」など、ゾクゾクくるセンスいいモノローグも心に焼き付く。思春期におぼれているのだ。

作者さんの初単行本とのことですが、これからの新作への期待は大きいですね。
大きな広がりがある作品ではなくコンパクトにまとまった作品。だからこそ一気に駆け抜けていく解放感がありました。思春期とは素晴らしいものだね…!

『17歳℃』 ・・・・・・・・・★★★★
期待の新人さんの初単行本。雰囲気がいいなぁ、こっ恥ずかしくてw

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