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正直どうでもいい

こんな名前ですが好きな漫画の感想をかくブログです

[漫画]淡く輝く季節をきみと。『14歳の恋』4巻

14歳の恋 414歳の恋 4
(2014/04/25)
水谷 フーカ

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   大人だって 可愛いんじゃん

14歳の恋、最新4巻の感想。
4巻。4巻ですよ。個人的には作品は3巻を超えると、連載としての単位が変わるような気持ちがします。好きな作品が長く続くことは嬉しいです。
この作品の表紙イラストはなんとも言えない、美しさや儚さを感じます。今回も好きだなぁ。
ハチマキして、ポンポン持って、空を背に教室で2人。こうやって女の子の髪にふれる瞬間にしたって、冷静に考えると、……すげぇな……(呆然)
でも裏表紙も素晴らしいんですよ。こちらは夕焼けの屋上なんですが。本編を読むとさらに味わい深い場面、距離。「こっち見てよ」ってなんど願い、なんどこのシーンを繰り返したのだろうか。かわいいわぁ。

前巻→悩んで悔やんで喜んで、心震わせて。『14歳の恋』3巻



さて季節は秋。表紙も冬服になり、そして体育祭のシーズン。
それに合わさる内容となっており、今回も、胸あたたまる。
賑やかさよりただ流れていく風をゆっくり感じられる、落ち着いた雰囲気が素敵だよな。

和樹と彼方のペアは相変わらず、ちょっとすれ違ってはまた胸いっぱいに喜ぶ。14歳はけっこう激しく感情を揺り動かして、思い思いに突っ走ったりする。
第19話なんかがお気に入り。めそめそしちゃう彼方がかわいいのと、周囲が思う“大人っぽさ”に振り回されてこんなに苦しんでしまう事の、ある種の子供っぽさというか。爽やかな読後感も素晴らしい、14歳の恋エッセンスみなぎるエピソードでした。

それで、ですよ。大変なんですよ日野原先生が。
不良と評判の無愛想男子、長井くんとのただならぬ関係にある女教師なのですが
大人の色気を武器にするイタズラをしかけたら、やり返されてメッチャ赤面しちゃうとかいうヨダレが止まらないニヤニヤ展開!
ラブストーリーとしての興奮度の高さは、長井&日野原先生ペアが作中最強だなと思う。
だって一番美味しいんだもの。
美人で実はドSな女教師が、10も年下の少年に、こんな醜態をさらされてしまう、なんて。ああなんて、可愛らしい、愛おしい……!

14歳の恋41

3巻で「本気?なんのことよ やめて 14歳なんかに」と言っていた彼女。
ああこのまま落ちていくしかないな、と確信するセリフを放ってしまったばかりに、14歳のガキンチョ相手に、みごとに感情ゆさぶられまくりである。見事なフラグ回収。どう見ても本気になっちゃってますよね。

このエピソードは長井くんのがんばりにも注目したいところで、本当にがんばったんだ。
それでも一番のご褒美たるこの光景を目にできないのは、ああ、もどかしい。
まぁ、ギリギリに踏ん張ってそういう可愛らしい部分を隠し通せるあたりが、大人の証かもしれない。
きっといつか、かわいいその表情を素直に彼の前で見せてくれたらいいな。



そしておなじみの葵ちゃんのエピソードや、日野原先生をみつめる男子と彼をみつめる女子。ふんわりと切ない匂いが心をくすぐるお話も添えられ、こちらも14歳たちの青い世界を彩る。
サプライズだったのは、「お前この学校の生徒だったのかよ!!」という、水谷フーカ先生の過去作品のキャラクターがゲスト出演した件。
これに関しては実際読んでいただきたい思いが強いので、あまり書きませんが……うれしいファンサービス、みたいなものですねw おもわずまたあの本を読み返しました。

そんな「14歳の恋」4巻でした。
登場人物がというか、注がれる視線が増えたな、と思います。
いろんな人間が、いろいろ考えて、いろんな人を見つめて、その届く視界が広がればそれだけこの作品の奥行きが生まれる。せっかく学校という舞台にいるわけで、こうしていろんなペアの物語をクローズアップしていく方向は大歓迎。
主軸となる和樹と彼方は、関係性としてみれば健全・安心の象徴のようなもので、だからこそほかのペアはちょっと禁忌的な関係性に足を踏み入れているのかもしれない。

それと、個人的には楽園コミックスから“5巻”が誕生するというのはかなり予想外。でも、ずっと、読んでいたいな。と贅沢なことを思ってしまう。
振り返ってみればあっっっと言う間に流れていった14歳のあの季節が、漫画ならば長く堪能できるというのは良いな。
なんの感慨もなく終わらせてしまった時間を懐かしめるは、こういう漫画に触れている時かも。
読み終えて、またこの裏表紙に行き着いて、なんだか眩しくなるのです。今日も14歳の世界を包み、空は美しい。

『14歳の恋』4巻 ・・・・・・・・・★★★★
14歳はかわいい。大人だって、かわいい。みんな可愛くって胸が詰まる!

[漫画]あなたの尾ビレが見たいのです!『深海魚のアンコさん』1巻

深海魚のアンコさん(1) (メテオCOMICS)深海魚のアンコさん(1) (メテオCOMICS)
(2013/09/12)
犬犬

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   サイズが小さくてかわいい!チカチカ光るのがかわいい!あと…尾ビレもかわいい!!

いまは艦これにドップリなわけですが、擬人化といえばこの「深海魚のアンコさん」も面白い。
お気に入りのほのぼのコメディです。業界騒然ならぬ『魚界騒然!』とのことw
タイトルから察せるとおり、本作は魚類の擬人化モノ。
普通の人間にまじって人魚たちが学校生活をおくっている、学園コメディです。
魚類擬人化…というか人魚は今年アニメ化されたものもありましたし完全な目新しさはありませんが、それぞれの個性がはっきり現れたキャラクターたちの日常風景はとても和みますね…。
人間化したキャラクターに元ネタの特徴をどれほど反映し落としこむかが擬人化の面白さであり見どころ。まったりとしながらも賑やかな日々は、なかなかに濃ゆくて楽しい。
あとあれですね。女の子かわいい。大事です。女の子がかわいいのです!
WEBでやってる漫画なので試し読み可能です。



基本的に一話ごとにゲストキャラが登場し、その人を軸に展開していきます。
主人公はアンコさん。チョウチンアンコウの人魚です。
それから人魚好きな人間の女の子・若狭さん。アンコさんをライバル視している闘魚(ベタ)の人魚・トウナさん。だいたいこの3人がメインキャラかな。

人魚と人間がいっしょに暮らしている学校が舞台なだけあって
異文化コミュニケーションの面白さがあります。
それは人間⇔人魚もありますし、人魚間でも言えることです。
おそらく常識レベルでしか魚のことは知らないのでトリビア的知識が増えるw
「この娘はこういう特徴があるんだな~」とかふむふむのんびり読んでると
いつのまにやら、その娘のかわいさ(&いやらしさ…?)に絡め取られている。
人魚たちの体質は妙にマニアックで、心の奥底がザワザワするんですよ…!!

アンコさん2

ウナギの人魚、うなちゃんは緊張するとヌルヌルした液が出ちゃう。

アンコさん1

ミルクもでちゃう。

ひじょーに申し訳ないんですが、お下品な妄想をしてしまいますよね…(笑顔)
ファンタジーな生物との性行為はどういう風なんだろうかと考えてしまうのはよくあること。「モンスター娘のいる日常」とか、読みながら滅茶苦茶ワクワクしますよね…。
他にも1巻だとフグ、マンボウ、ホホジロザメといった有名ドコロから、そんなのもいるんだ…?な人魚たちも登場。

個人的にイチオシな女の子は、やはり主人公のアンコさんかな。
けっして優れた娘じゃありません。むしろ若干ポンコツな感じが…。
彼女は本当に恥ずかしがり屋で、コンプレックスも持っている様子。
「自分の尾ビレはかわいくない」って、見られることを嫌がって、見られたら泣き出してしまう…。そんな弱虫なアンコさん…かわいすぎるな…ッ!!

人魚が本来の下半身にもどるシーンは全部好きですねぇ。個性があって。
アンコさんの尾ビレなんか、最初みたときは一瞬「ぐ、グロい…!」と思いました。
こんなにかわいい女の子の、人には見せたくない下半身…!
ということで、なんだか見てはいけないものを見たかのようなトキメキと興奮があったことは間違いない…!
でもそれは初見のインパクトがあったからで、慣れるとこの尾ビレこそが最高に可愛かったりするのである!ベタのようなヒラヒラ綺羅びやかな体ではないけれど、なんだかとても愛おしいですよ!
アンコさんが恥ずかしがりながら見せてくれる下半身をもっと拝みたいのです!

深海魚のアンコさん4

なんか尾ビレって言葉がエロく思えてきたな…。尾…。ビレ…。ビレ……。
ほかにも、産卵をオープンな話題にすることに抵抗は強いようです。
卵のネタはもっと膨らませて欲しいんですけど、やりすぎると作風が崩れてしまうか…。
やはりこの作品には、ほのぼのとしている中にマニアックな要素を忍ばせ、理由もわからずなぜか興奮してしまう…みたいな今の適度なエロスがいい塩梅。

アンコさん3

妄想が膨らみまくる産卵ネタ。



そんな「深海魚のアンコさん」1巻でした。かわいいお魚さんがいっぱいでてくるほのぼのコメディ。絵柄もすっきり可愛らしくて好感度高い!
その中で、妙にマニアックなネタがキラリと光っています。
おかしな属性を読み手に植えつけかねない、危なさもあるかもしれないw
アンコウのオスとメスの「融合」のネタは、自分の中で新しいトビラが開きかけた。

アンコさんはなんのカリスマもない女の子なんですが、不思議とほかの人を呼び寄せてしまいますよね。そこはさすがアンコウというべきか。主人公をアンコウにしたのは結構上手い気がする。
カリスマはなくとも不思議と居心地がいいような、そんな空間を作ってくれる娘なのかもしれませんね。
でも彼女自信はけして社交的で活発というわけではない。
だからこそか、学校生活の中でいろんな人たちと接することで、彼女の世界も広がっていっているのを感じます。
これから続いていく間に新しいキャラクターも大勢出てくるとは思います。それも楽しみにしつつ、現時点でも魅力的な女の子たちが揃っているので、掘り下げたエピソードも見てみたいですねぇ。

『深海魚のアンコさん』1巻 ・・・・・・・・・★★★★
ほのぼのキュートでときどきマニアックなエロス。キャラも可愛いしツボですね。

[漫画]星がつなぐ、光が刻む、ふたりの宇宙。『スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ”』

スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ” (少年サンデーコミックススペシャル)スピカ The twin STARS of ”きみのカケラ” (少年サンデーコミックススペシャル)
(2013/08/16)
高橋 しん

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   あの日においてきた、幼い私達の、小さな星。

定期的に高橋しん成分を摂取しないとつらい体です。
高橋しんさんの新作コミックス「スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”」が発売されたので感想を。
今回も装丁が素晴らしいです。さわってみるとわかりますが、散らばった光に指で触れられる美しいデザインとなっています。
ちょっと値が張るコミックスですが、この装丁の質もそうだし、中もカラーページ豊富だし、不満はありませんね。

本作は前に少年サンデーに連載されたファンタジー漫画「きみのカケラ」の双子のようなポジションとのこと。
テーマ的に連なる部分も多く、きみのカケラを知っているとニヤッとできる小ネタが。
とは言え完全に独立した作品集なので、知らない人でも全然大丈夫。
「きみのカケラ」の双子であることに加えて、星をめぐる2つの物語を収めた作品でもあります。そういう意味でも双子ってことですね。ツインスターズ。

高橋しん先生の過去の単行本の感想とか↓
夢見た世界で、永遠の太陽は輝く。『きみのカケラ』9巻
あの夏のヒミツ、おぼえていますか? 『SEASONS~なつのひかりの~』
喋れない少女とエスパー少年『雪にツバサ』1巻
終末のそばに儚い日常はある。『花と奥たん』2巻



ふたつの作品を個別に。

スピカ-ふたりの銀のつばさ-

これは明らかに「きみのカケラ」の世界を引き継いだ、あれから遠い未来のお話。あのぬいぐるみキャラもいたり…。
でも世界の雰囲気なんかはガラリと変わっていて、まったく新しいものとして楽しめる。「きみのカケラ」を読んでいたら、この暖かくなったこの世界の風景を見てにっこりできます。
加えてネタバレになりそうですが、展開も…。

この星に宇宙燈台が輝いていたのも今は昔。灯を失ってしまった星と鍛冶屋の少女。そんな彼女の前に落っこちてきた、どこかの宇宙で戦争をやっているらしいロボットの少年兵。
人間の少女と機械兵の少年。そんなボーイミーツガールは、星の希望を照らしだすまで話のスケールを膨らませます。
必死にそれぞれの目指すものに手を伸ばす。美しいものを求める。
苦しい境遇に立たされる二人の主人公ですが、その運命の中で奮闘する姿がなんとも健気であり、幸福を願わざるをえない。

個人的に名シーンだと思ったのが、女の子がボロボロ涙をこぼして料理をムシャムシャ食べる場面。
家族のぬくもりに飢えていた少女の感動が全開になってますね。なんて高揚感のある食事だろうか…!
高橋しん先生は近年食事シーンに気合が入っていますね。人の繋がりや生命の営みとしての食事って側面を強調する描き方をしていて好きですねえ。

面白いのがこれは意図的に、少年と少女の名前が出てこないこと。
お伽話に出てくる人物には名前が無いことも多いですよね。動物の名前そのままだったり、またはたんに男の子とか、女の子とか。名前が出てこないのはそういう意味なのかもしれない。
きっとこのお話は、後のこの世界に残るお伽話のようなものになる。
または二人はスピカになったからって事なのかもしれない。
真っ暗な場所にでも寄り添って離れない、春に見える2つ星。
白くく青く濃い光が降り注ぐラストシーンの感慨深さは、やはり好いものです。

●スピカ-放課後のちいさな星-

いいねぇ!なんとも言えない、切ない匂いと透き通った空気を感じる青春…!
なんだか久しぶりな気がする。ありふれた高校生たちの疾走感のある青い漫画。
高橋しん先生的にはだいぶ平和な作品だったと思うけど、こういうの最近少ない気がするんだよな。
部活の約束をすっぽかして、女の子と男の子がふたりで思い出の場所を目指す。
そこで星を見ようと、バカみたいに心を高揚させて、果てに向かう。
見えないものを見ようとして!望遠鏡を覗きこんだ!!

ワクワクして切なくなって、懐かしさすらもやってくる。
短編としてのまとまりの良さといいテーマといい、とても完成度の高い作品だったと思います。
澄んだ夜空を眺める。その時間に余計な言葉は野暮だよねって感じでもう、甘酸っぱさがガッツリ心に染み渡りますよ…。
「ばかだね。お前。女の話はただうなづいて聞くもんだ。」
とかいちいちいい雰囲気にいい言葉が飛び出すんですよ。カラーページの使い方も豪華。カラーを有意義に感じられるという意味で過去の高橋しん作品でもトップクラスなのでは。
黒い暗い、遠くの宇宙に、いろんな色の星が美しく散らばっている絵は、カラーで見れなきゃ損でしたよ。

青春の香りを色濃く感じられる物語には、青春らしい喪失感と傷が織り込まれています。
それはもう、がむしゃらに闇雲に、不安を振り解くために、少女は星を見つけようとする。
でも星はいつでも見れるわけない。時間はもちろん、季節が重要になる。
どんなに欲しがっても、大切なものがいつでも見つけられるわけではない。
天体観測が少年の少女のドラマにシンクロしており、これもお見事。
そしてなんといってもモチーフが「スピカ」って所で〆もバッチリなのです。

本当にそのまますぎるけど、BUMPの天体観測流しながら読むと、胸キュン指数がさらに上がるよ!
個人的にこれ、新海監督に30分くらいで映像化して欲しいんですけど。うん、キラキラ着色系作家繋がりで発想が安直です。
あと小ネタでしょうけど、冒頭のカラーページの制服の冬服、これって最終兵器彼女の制服と一緒じゃないですか!アホ!



そんな「スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”」でした。
スピカ2作に加え、単行本のラストにはあの有名な宮沢賢治の童話をリミックスした感じの漫画も収録されており、これも良い。これは「きみのカケラ」最終巻のあとがきにあったものですね。
基本的に高橋しん先生の作品は健気キャラが最強なんですけど、今回の作品はそれがなんらブレないまま爽快さとなって読者に届けられている感じがします。
なにげにクセの強い作家さんだと思うんですけれど、これは読みやすいな。
入門の一冊としてもいいかもしれない。

一冊トータルで、宇宙への憧れがパッケージされている気がします。
星空を見上げるときの、あの寂しかったり清らかだったり熱くなったり怖くなったりするフワフワした感覚が詰まっていて、とても気持よく感情を揺さぶられる。
恋愛よりいっぽ手前の、でも恋に勝るとも劣らない、遠い祈りの関係。
もどかしいですが、この距離感がいい!
発売されたタイミングも完璧でした。
夏に読みたい、爽やかなときめきをくれる作品集。

『スピカ the twin STARS of “きみのカケラ”』 ・・・・・・・・・★★★★☆
「どうかあなたに」と祈る人たちのまっすぐさ、心をキラキラに澄んだ状態にしてもらえます。
ところでそろそろ最終兵器彼女の文庫版とか新装版とか出ませんかね?

[漫画]世界は悩み、戦い、走りつづける。『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』3巻

新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(3)<完> (KCデラックス)新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(3)<完> (KCデラックス)
(2013/07/23)
藤異 秀明

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   子供達の未来に安らぎと 幸せがありますように――― 

お前が表紙かよ!!って当時の読者はみんな思ったと思う。
「新装版 真・女神転生デビルチルドレン」完結となる第3巻の感想です。
3ヶ月連続で発売されてきた新装版もいよいよラスト。

表紙はアゼル様。エレジーの父親にして刹那の叔父。ラスボスです。
「最終巻は誰が表紙かなー。刹那・未来はもう出たし、エレジーが最有力か。もしくはゼットくんで仲良し小学生3人組揃い踏みな感じで。パートナーも考えるとクール&ベールのペア表紙とかも良さそう」
などと想像を膨らましておりましたが、アゼルお父様が表紙を持っていくとは一切予想をしてなかった。ネットで最初に書影をチェックした時は思わず爆笑してしまったよww
いやしかし、めちゃくちゃカッコイイじゃないですか!
禍々しい迫力にゾクゾクくる。児童漫画の皮をかぶることすらしない潔さが眩しい!さすがはデビチル漫画版!

世界を救うハードボイルド小学生漫画、復活ッ!『新装版 真・女神転生 デビルチルドレン』1巻
この血塗れた手は、世界を変える覚悟だ。『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』2巻

3巻はまるっと最終章です。白熱のラスボス戦と、彼らのその先。



ついに顔を合わせた刹那、未来、ゼットの3人。
原宿小学校の仲良し3人組。何も知らなかったころ一緒にいた、2人のデビルチルドレンと、1人の巨大な不確定要素。
物語は一気にラストへと駆け上っていく。愛と世界を賭けた最終決戦!

デビチル31

一気に全員が覚醒を果たすこの見開き、何度見てもカッコイイ…!

このラストバトル付近の展開は、とてもストレートな印象を受けます。
目の前の運命に翻弄され続けた彼らが、ようやく特定の「相手」を見つけたからかな。
特に刹那に関しては、この決戦中、とても冷静に見えます。
相変わらずその戦いには傷を伴う。それでも旧来の友をそばに置くことで、なんとなく刹那の孤独が自然に晴れているような。
これまではヒリつくように冷たい心の痛みにふるえているような、人を寄せ付けない部分もあった少年だったと思います。
しかしラストバトルでの数少ない味方が、刹那が全幅の信頼を寄せるメンバーであることは、戦いの中ですら彼に安らぎを与えているように思います。
もう殺意で暴走したりしない。
一度、アゼルにブチ切れましたが、それを押さえ込んだ未来は流石。
なんだかんだで刹那は1人じゃだめな子だと思う。子供だし当然ではあるんだけれど…。
強大な敵を前にした危機的状況ですが、刹那は過去最高に安定しています。目標と信条がぴったり合わさっている。揺るぎない。
初期のころのキレッキレ刹那さんも格好良いですが、あまりにも子供が重たい運命を背負わされていたなぁ。そういう意味でこの最終決戦…特に言及はありませんが刹那の描かれ方にもラストバトルの風格を漂わせています。

見逃せないのがエレジーとアゼル、憎しみ合った親と娘の物語。
ラストバトルはエレジーにとって親殺しにあたる。当然そこに痛みや葛藤があって、ところどころにズキズキくる描写があります。
愛されたい娘と、彼女にある善の力を恐れた父親。
アゼルは全体的に見ても幼稚というか大人げない人物像に見えます。
「私とちゃんと向き合ってよッ!!臆病者!!!」
悲痛な娘の叫びにまったく耳を傾けない父。
結局最後まで、父と娘は分かり合えないままでした。世界の再生は叶えられたものの、その裏にあったエレジーの想いは、果たされぬまま…。
だからこそ過去に区切りをつけて、エレジーは未来にいけるのだろうけれど
こういう親子を見ると、児童漫画としては意外な要素放り込んでるなと改めて思います。
まぁこの作品の「親」というのは、たいがいヒドイ運命をたどっている気がしますが…。

死を踏み越えて未来に進む。そのテーマはやはり一貫している。
たとえ大切な人を失っても。たとえ自分のエゴのために誰かの命を奪っても。
改善懲悪なストーリーラインにはなっているのですが、節々に読者に正義とは何だという疑問符を投げかける内容になっている。
殺したところで晴れやかな気持ちになるようなシーンもなく、やはり「死」と真摯に向き合った作品だと思いす。


エピローグは駆け足感満載ではありますが、すっきりしますね。
刹那の顔には刻まれた傷跡。きっといつまでも消えないその傷に、それを背負って生きていく刹那のこれからの人生に思い馳せる。いつまでも闘いながら未来へ駆けていく。
「絶望しない」という最後の言葉にグッと来るのは、この作品ならではの感動だと思う。



さてこっからは描きおろし漫画の話だー!
今回の新装版シリーズ1番の目玉、藤異秀明先生のかきおろしデビチル!
連載終了から10年経って、また新しいデビチル漫画が読めるとは。
この描きおろし漫画に浮き足立った当時の読者も多いはず。

内容は、旧単行本でいうと1巻と2巻の間。新装版で言うと1巻第5話の後。
未来を失い、完全に暗黒面に落っこちたやさぐれモード刹那さん。
作中もっともキレていた頃の刹那さんなので、そりゃもういろいろヤッています。

デビチル32

オイオイおいおいグロッグロじゃねーか!
憂さ晴らしをするように敵を虐殺。これでも小学5年生の男の子です…。
乾ききった刹那の心を表すように、戦いが戦いを呼ぶ荒んだ世界観がまさにデビチル!
ある意味で、この作品らしい要素をきっちり抽出した特別編ですね。
研ぎ澄まされた殺意と、自分の中で暴れる焦燥、狂気…。

読者に鮮烈な印象をのこしたであろうサンドランド編の前日譚として
目覚める未来、暗躍するゼット、動き始めるエレジー一行、闇を深める刹那…と
メインメンバー揃い踏みで、新しい彼らを見れて大変嬉しいです。
当時の連載中にもどんどん絵柄が変わっていった藤異秀明先生なので
この描きおろしページだけまるで絵が違うのもまた一興というヤツですw
あと小学5年の女の子にして未来ちゃんはおっぱいが大きすぎると思います!

当時のアシスタント、木下エースケ氏によるオマケ漫画は
全撮影を終えて打ち上げムードな役者たちの一幕…という、オマケ漫画らしい構成w こういう遊びゴコロは大好き。
エレジーが素だとこういう引っ込み思案で照れ屋な女の子、っていうのはいい舞台裏設定w
これまでの登場キャラクターほぼ全員が登場して、いっそうお祭り感を強めてくれる。このオマケ漫画は幸せすぎる…!

デビチル33



そんなデビチル新装版3巻でした。
これまでの感想でも書いて来ましたが、この作品は本当に思い入れがある。
漫画を読んで格好良さに震えた経験は、この作品が初めてでした。
ハードなバトルにシナリオ…何度もゾクゾクさせてもらえた。
幼少の思い出とともに、懐かしさを伴って思い出される作品のひとつでしたが、こんなにカッコいい新装版になって生まれ変わってくれて最高の気分。
二十歳をこえてじっくり読み返すと、また味わいが違って面白いです。
子供のころ読んでいた作品が文庫化や新装版化すると、ときの流れを意識せざるを得ない、複雑な悲しさも味わいもしますが…!

ともかく自分にとってのトラウマ兼金字塔的な作品であり
せっかく新装版として出たので多くの人に読んで貰いたいなとおもう次第。
描きおろし漫画も素晴らしいので、当時好きだった人も要チェックですよ。

『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』3巻 ・・・・・・・・・・★★★★☆
思い出いっぱいな作品。描きおろしも満足。いまでも少年心をくすぐる作品だ。

[漫画]この血塗れた手は、世界を変える覚悟だ。『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』2巻

新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(2) (KCデラックス)新装版 真・女神転生 デビルチルドレン(2) (KCデラックス)
(2013/06/21)
藤異 秀明

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   弱い 無力すぎるよ 何かを変えるだけの知恵もない

未来キーック!「新装版 真・女神転生デビルチルドレン」2巻の感想。
10年以上前にコミックボンボンで連載され、幼年誌らしからぬバイオレンスっぷりに当時の少年たちの度肝を抜き、またトラウマを植え付けたりもした、あの傑作の新装版でございます。
昔この作品ほんとハマってたんすよ~っていう話は前回したので省略。

前巻
世界を救うハードボイルド小学生漫画、復活ッ!『新装版 真・女神転生 デビルチルドレン』1巻

よくもまぁ小学生相手の漫画雑誌でこんな漫画やっていたよなと!
それはバイオレンス描写や作者が影響を受けたであろう作品のオマージュだけじゃない。
世界を救うにはたくさんの犠牲を乗り越え、また自らの手を血で汚すしかない。
そんな現実と戦う覚悟を、小学生が背負うという、ね…!
まぁ小学生に見えていたのは1巻の最初のうちだけで。この新装版2巻の時期になると「お前ら小学生とかぜったい嘘だろ!」と叫びたくなるような大人びた風に成長してます。
いいんだよ細かいことは!カッコ良けりゃいいの!熱けりゃいいの!



世界を包む混沌はその色を強くしていく。
デビルチルドレンである刹那と未来の運命もますます過酷に。
物語の厚みも増していき、バトルと合わせてズッシリと迫力ある展開に向かいます。

新装版2巻は冒頭、フォレストランドでの未来の戦闘から熱気十分!
常に敵から命を狙われる、緊迫した生活。それに疲れてしまうのはまだ小学生の女の子なら当然だよなぁ。
ニーズホッグとの戦闘は、リアルタイムで読んでいた時もすごくドキドキした。
巨体を土の中から引きずり下ろし、魔法で森全体を凍りづけにして天然の針地獄。落下して串刺しになった所を改めて魔法で切断。うーん、見た目ハデだし実にクレバーな戦略!カッチョイイ。
このフォレストランドで未来はユキヒサと出会って、そこから「天使軍」の策略にハマり込んでいってしまう。
この「天使軍」の存在こそこの新装版2巻のポイント。
魔王軍VSアンチ魔王軍、のシンプルな構図だった所に「いやいや天使こそ至高の存在だろお前ら俺ら抜きでなに言ってんの?」と出しゃばってきて色々メチャクチャにやっていくのです。


天使軍が刹那サイドに送った刺客がドッペルゲンガー。
刹那が探し求めている未来の、まさにその姿を借りて刹那を殺しに来る。
このバトルでは刹那は腕がちぎれちゃうんですよね。
当時小学生の俺。腕がバツンとやられてしまった時点で「え、終わりじゃん。死ぬじゃん。これからどうすんの?」とマジで焦った記憶があります・・・。
バトルの緊迫感が凄い。ドッペルゲンガーまじで怖いし、このギリギリで戦っている実感が少年心を心底ワクワクさせてくれましたよ…!

デビチル24

ドッペル未来さん、いい顔するよなぁ…!!
メインヒロインの顔した敵がここまで顔芸やるもんだから、本当に怖かったんだよ!!
口調も下品で、こうしてある程度大人になって読んでみると、「未来ちゃんを汚しやがってこのやろう!!」とも思えてくる。侮辱的ですよねえ。他人の姿形を借りて人の弱みに付け入って、顔芸に下品な言葉遣い繰り出してるんだから。
刹那としては本当に腸煮えくり返るほどムカつく相手だったと思う。

デビチル23

お前たちは自分のエゴで生きている!!
自分の邪魔になるものを傷つけながら生きている!!
それもいいだろう この汚れた世界ともに生きていゆけ!!!
だが忘れるな!!! 
お前の手や顔、そして体についた血は決して消えやしない!!!


ドッペルゲンガーを倒した刹那。この時のドッペルゲンガーの死に際のセリフは、本当にグッサリ刺さった。
世界を救おうとする正義の味方なのに、結局は汚れなくちゃいけないんだと。
綺麗なままのヒーローであることを絶対に許さない。
何かを救うためには何かを犠牲にする必要がある。そういうシビアな現実を、10もいかないような少年に見せつけたのがこの作品の、個人的にすごく好きな所です。
傷ついて、自分の血にまみれて、誰かの血を浴びて、やっと前に進める。



ゼットくんはエロいんだよ!!!(唐突)
思えば俺が初めて「少年」キャラクターにドキッとしたのはゼットくんかも知れない。
挑発的で、思慮深くて、ミステリアス。
もともと中性的な顔立ちのキャラクターなのですが、物語中盤から明らかに作者が意図して色気をもたせている。唇にトーンが貼られだして、艶っぽさが出てきます。

デビチル22

少年心になぜかを感じ取ったことを覚えています。
ヒロインである未来やエレジーに心は向かいながらも、ゼットくんが香らせるフェロモンはこう、グッッ…っとキました。

人も悪魔も天使も魔王も超越した存在。
そんな特殊な立ち位置であるゼットは、それが故の苦悩を抱えます。
簡単に国も人を救ったり、または滅ぼすことができる。
あまりに大きな力を持つあまり、それにがんじがらめにされる。

新装版2巻のラスト「とまらぬ怒り」では未来と衝突するゼット。ここでゼットの苦悩は表面化して、ゼットが更に好きになりましたね。
今まで天上人って感じで、あまり感情移入ができていなかったのですが
泣きもする。悔しがったり、悩んだりもする。彼もまたそんな血の通った存在だったんだな、ここで初めてわかった。印象深いシーンですね。
誰しも戦っている。戦って生きていく。この作品らしいよなぁ。しびれる。

しかし一番ゾクゾクしたのは、「最愛なる者へ」でゼットと刹那が出会った場面です。ここで初めて刹那は、普通の友達だと思っていたゼットがとんでもない存在であることを知る。

デビチル21

「くやしいでしょ?」

刹那を導くためでもあるが、こうしてヒールのような役回りをする。
たっぷりと皮肉って、挑発的な笑みを浮かべる邪悪ゼット。ムカつくなぁ!でも似合うなぁ!!かっこいいなぁ!!!
でもこのエピソードのサブタイ「最愛なる者へ」は、ゼットから刹那に向けたものなのかもしれないな、とも今回ふと思った。
人間を遥か高みから見物するようなゼット。しかしここでは刹那というたった1人の少年のためにメッセージを投げかける。
そのメッセージはネガティブなものではあるんだけど、刹那たちの身を案じた優しさでもあるよな。未来と刹那、デビルチルドレンたちを守ろうとするゼットの内面の深さは、今でも味わい深いものだ。



もうひとつ名シーンを選ぶなら。
刹那が幽体離脱してファイアーランドを向かうまでモノローグ。

「死が平安をもたらすのならば 生きている意味ってあるのか?」
「この世に人間は必要なのか?」
「世界は汚れてなんかいないし 滅んだりもしない 問題なのは人の行く末だ」


「生きている意味ってあるのか?」の言葉は、これを当時自分どう受け止めていたかは覚えていないけど、なんにせよ衝撃的だった記憶がある。
生きている意味を疑うなんて、小学生置いてけぼりですよ。でも感じ入った。
刹那さんはホント達観したイケメン小学生やで…。


各キャラクターの苦悩を深めていく内容だったこの2巻。
ストーリーの進行も当然ですが、精神的な成長やドラマを重視したのもこの作品の面白さ。想いの折り重なった、多層的なストーリーになっています。
↑の感想では触れられませんでしたが、エレジーちゃんの健気さに心打ち抜かれ、もうエレジーちゃん最高!!となるまでありましたが省略します。
新装版3巻は7月発売。描きおろし漫画にも期待大ですね…!!
そういえばこの新装版2巻、連載当時カラーだった話数の扉絵が描きおろしイラストに代えられていました。今の絵柄で見る刹那たちは新鮮で、楽しい!

今回の巻末オマケ漫画はドッペルゲンガー未来ちゃん大暴れ。
当時のアシスタントさんが描いたものですが、本当に今でも愛されてるなぁデビチル!ドッペル未来ちゃんは本当にムチャクチャやるので、シリアスじゃなくギャグとしてなら色々可能性があって面白いなw

『新装版 真・女神転生デビルチルドレン』2巻 ・・・・・・・・・★★★★
復活した懐かしの傑作第2巻。大人びた児童漫画だよなぁ。この傷だらけのキャラクターたちと渦巻く愛憎の物語に憧れたもんです。

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楽園に花束を

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漣

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「さざなみ」と読みます。
漫画と邦ロックとゲーム。
好きなのは思春期とかラブコメとか終末。

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